Image Credit: コウソミル

1分子計測リキッドバイオプシー技術を用いたがんスクリーニング血液検査を開発するコウソミルは6日、シリーズ A1ラウンドの資金調達を実施したことを公表した。リード投資家はデライト・ベンチャーズ、新規投資家としてアニマルスピリッツ、ごうぎんキャピタル、既存投資家として ANRI、グリーンコアが参加した。調達額は非公開。

同社は、東京大学大学院薬学系研究科の小松徹准教授の酵素活性の蛍光検出技術と理化学研究所の渡邉力也主任研究員の1分子計測技術を組み合わせた「1分子計測リキッドバイオプシー」技術を用いて疾患の診断技術を開発するスタートアップ。同技術は、血液中の酵素の「活性」すなわちタンパク質の機能を1分子レベルという超高感度で網羅的に解析することで、疾患の精密な診断を可能とする。

同社は2025年7月より、膵癌の早期発見に関する研究を目的とした検査業務「エンゼバーすい臓がん」をビー・エム・エルを通じて開始している。同社によると、日米12施設の血液を用いた臨床研究のバリデーションコホート(4施設181検体)において、膵癌(Stage I–IV)に対して感度75.0%、特異度95.5%を示し、ROC-AUC は0.91と既存の腫瘍マーカー CA19-9(AUC 0.75)を上回ったとしている。早期の Stage I–II でも感度71.9%を維持したという。膵臓がんは5年生存率が1割前後と全癌種の中で最も低く、早期発見が患者の予後改善に不可欠とされている。現在は約1万例規模で検査性能を前向きに評価する臨床研究が進行中だ。

今回の資金は、PMDA への承認申請を見据えた臨床開発・申請準備に加え、米国向けの研究開発・臨床開発・事業開発体制の構築に充てる。同社は米国食品医薬品局(FDA)との相談も実施したとしており、国内薬事承認までの間は前向き臨床研究として検査を実施する方針だ。他の癌種に対する製品開発にも着手している。

コウソミルは、科学技術振興機構 大学発新産業創出プログラム(JST START)の支援を経て2022年に設立された。代表取締役は鏡味優氏が務める。2023年8月には NEDO・JST 主催の「大学発ベンチャー表彰2023」において「科学技術振興機構理事長賞」を受賞し、2024年4月より NEDO ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)STS フェーズに採択されている。

via PR TIMES